Lマウントには面白いカメラが存在することはご存知かと思います。そう、SIGMA fpです。これはコンデジと見紛うボディにフルサイズセンサを詰め込んだポケッタブルシネマカメラです。(スチル用途に使用している方が多いとは思いますけど、メカシャッターを廃しているし、動画を撮るための機能にだいぶ振られている気がするのでね。)
てなわけで、私が運用するとして、このカメラの一番気になる記録時間の目安と、現在ネットに公開されているレビューや作例を紹介したいと思います。
記録時間の目安
ここでは外部記録することを前提に1Tと500Gの外付けメディアを使用した場合にどのくらいの撮影データが記録できるかを、ビットレートから計算しました。
RAWの場合はリニア記録でしょうから10bit記録だと所謂Logの10Bit記録よりも輝度レベルによっては粗いはずです。なので12bitでないと制作的な使用には耐えられないのではないかと思います。
そう考えると、CinemaDNGでの記録はUHD12bitの23.98fpsに限定されてくると思いますが、シネマ的な映像をスロー無しで撮るならこれで十分とも言えます。ただし、その際の記録時間は1Tで1時間弱。500GのSSDであれば30分弱という目安になりますのでメディアコストは考えて運用することをお勧めします。
CinemaDNG
解像度 | 記録ビット数 | フレームレート (fps) |
ビットレート (Mbps) |
対応メディア | 記録可能時間 | ||
SSD | SD UHS-II | 1T | 500G | ||||
UHD | 12bit | 23.98 | 2400 | ○ | ✕ | 約58.3分 | 約29.1分 |
10bit | 29.97 | 2500 | ○ | ✕ | 約55.9分 | 約28.0分 | |
25 | 2090 | ○ | ✕ | 約66.9分 | 約33.4分 | ||
23.98 | 2000 | ○ | ✕ | 約69.9分 | 約35.0分 | ||
8bit | 29.97 | 2000 | ○ | ✕ | 約69.9分 | 約35.0分 | |
25 | 1670 | ○ | ○ | 約83.7分 | 約41.9分 | ||
23.98 | 1600 | ○ | ○ | 約87.4分 | 約43.7分 | ||
FHD | 12bit | 59.94 | 1530 | ○ | ○ | 約91.4分 | 約45.7分 |
50 | 1270 | ○ | ○ | 約110.1分 | 約55.0分 | ||
29.97 | 760 | ○ | ○ | 約184.0分 | 約92.0分 | ||
25 | 640 | ○ | ○ | 約218.5分 | 約109.2分 | ||
23.98 | 610 | ○ | ○ | 約229.2分 | 約114.6分 | ||
10bit | 59.94 | 1280 | ○ | ○ | 約109.2分 | 約54.6分 | |
50 | 1060 | ○ | ○ | 約131.9分 | 約65.9分 | ||
29.97 | 640 | ○ | ○ | 約218.5分 | 約109.2分 | ||
25 | 530 | ○ | ○ | 約263.8分 | 約131.9分 | ||
23.98 | 510 | ○ | ○ | 約274.1分 | 約137.1分 | ||
8bit | 119.88 | 2050 | ○※1 | ✕ | 約68.2分 | 約34.1分 | |
100 | 1710 | ○※1 | ✕ | 約81.8分 | 約40.9分 | ||
59.94 | 1020 | ○ | ○ | 約137.1分 | 約68.5分 | ||
50 | 850 | ○ | ○ | 約164.5分 | 約82.2分 | ||
29.97 | 510 | ○ | ○ | 約274.1分 | 約137.1分 | ||
25 | 430 | ○ | ○ | 約325.1分 | 約162.6分 | ||
23.98 | 410 | ○ | ○ | 約341.0分 | 約170.5分 | ||
○: 対応 ✕: 非対応 | |||||||
※1 ファームアップで実装予定 |
https://www.sigma-global.com/jp/cameras/popups/bit-rate_supported-media/ SIGMA HPより
MOV(H.264)
圧縮方式 | 解像度 | フレームレート (fps) |
ビットレート (Mbps) |
対応メディア | 記録可能時間 | ||
SSD | SD | 1T | 500G | ||||
ALL-I | UHD | 29.97 | 440 | ○ | ○ | 約317.8分 | 約158.9分 |
25 | 440 | ○ | ○ | 約317.8分 | 約158.9分 | ||
23.98 | 440 | ○ | ○ | 約317.8分 | 約158.9分 | ||
FHD | 119.88 | 440 | ○ | ○ | 約317.8分 | 約158.9分 | |
100 | 440 | ○ | ○ | 約317.8分 | 約158.9分 | ||
59.94 | 240 | ○ | ○ | 約582.5分 | 約291.3分 | ||
50 | 240 | ○ | ○ | 約582.5分 | 約291.3分 | ||
29.97 | 140 | ○ | ○ | 約998.6分 | 約499.3分 | ||
25 | 140 | ○ | ○ | 約998.6分 | 約499.3分 | ||
23.98 | 140 | ○ | ○ | 約998.6分 | 約499.3分 | ||
GOP | UHD | 29.97 | 120 | ○ | ○ | 約1165.1分 | 約582.5分 |
25 | 120 | ○ | ○ | 約1165.1分 | 約582.5分 | ||
23.98 | 120 | ○ | ○ | 約1165.1分 | 約582.5分 | ||
FHD | 119.88 | 100 | ○ | ○ | 約1398.1分 | 約699.1分 | |
100 | 100 | ○ | ○ | 約1398.1分 | 約699.1分 | ||
59.94 | 70 | ○ | ○ | 約1997.3分 | 約998.6分 | ||
50 | 70 | ○ | ○ | 約1997.3分 | 約998.6分 | ||
29.97 | 60 | ○ | ○ | 約2330.2分 | 約1165.1分 | ||
25 | 60 | ○ | ○ | 約2330.2分 | 約1165.1分 | ||
23.98 | 60 | ○ | ○ | 約2330.2分 | 約1165.1分 | ||
○: 対応 ✕: 非対応 |
https://www.sigma-global.com/jp/cameras/popups/bit-rate_supported-media/ SIGMA HPより
各種レビュー
所謂ガジェットレビュー的は検索したらいくらでも出ると思いますが、そのほとんどは動画のRAW記録に関して触れられていません。が、ネットをあれこれ探すと出てきます。
cinema5D
まずは、ご存知cinema5Dのレビュー。動画好きなら知らない人はいないであろうこのサイトでもレビューがされています。国内のガジェット系レビューにはない濃いレビューをされていますので是非
pronews
こちらは私のイチオシのガイプロモーションの照山さんのレビューです。ロスレスのCinemaDNGである点を逆手に取って4Kフォト的に使うという方法で機材を試用されています。この使い方は初期のBMPCC4Kでも可能だった使い方ですが、ファームアップ後のBMPCC4KはロスレスCinemaDNGが撮れなくなりました。なので、fpはUHD動画素材で汎用現像ソフト(Lightroom等)が使える唯一のミラーレスという事が言えます。
また、実運用例をちゃんと示してくれている点は他のレビューには無い点で必読だと思います。
フォトヨドバシ
一応、スチル的なレビューも紹介しておきます。ご存知フォトヨドバシです。毎度渋くて憧れる作例ですねぇ。
Youtubeでの作品・作例
フィリップブルーム大先生によるテストシュート 10BitRAWながら意外とイケてるんじゃね?と思う反面若干気になる描写の箇所があります。とは言え10bitでここまで撮れるなら12bitRAWで先生がガチの映像撮ったらどうなるんだろうという興味は尽きません。
SIGMA fp: London Night Test Shots
darwinfish氏の作例 氏の映像はタイムラプス映像も含めて昔から食い入るように拝見していたものです。SLR Magicのアナモアダプタを使用して撮影されている様です。
Masahiro Sunoharaさんのチャンネルから。こちらもDNG12Bitで撮影されています。
" A DAY " - cinematic - SIGMA fp 4K CinemaDNG 12bit
" Night Amusement Park " - cinematic - SIGMA fp 4K CinemaDNG 12bit
とにかく、何の機材で撮ったのかわからんくらいに制作者の個性が出せるのがRAWの素晴らしい点だと思います。特にロスレスDNGが撮れることからLightroomを使ってのグレーディングが可能なので、DaVinciなんて使い方がわかんねーよと言うスチルな方でも現像できてしまう点は最高だと思います。(メディアコストはかかるけどそれが映像の宿命ですよね)
一方で、描写に関して共通してレンジがやや狭くハイライト付近のロールオフ特性で少し気になる描写があるのも事実です。これに関しては私自身が使って試したわけではないのではっきり言及することは避けますが、もう少し確信が得られたらいずれ書こうかなと思います。というかグレーディングである程度綺麗にできるレベルだとかとは思いますけどね。
てなわけで、私が今一番使ってみたい機種ですし、レビューをしてみたい機種です。SIGMAさん、少しの間で良いので貸してください^^;