Lマウントカメラ情報局

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シグマ、開発中のフルサイズFoveonセンサー白紙発表を受けて

先日下記の記事を書いたばかりです。

l-mount.hatenadiary.jp

昨年の春にフォビオンの出願/先日権利化が確定している特許案件からフルサイズフォビオンの開発が順調かの様な印象を受けたため上記の様な記事を書きました。

【公開番号】公開2020-162116

内容は「歩留まり損失を低減することによって製造コストを低下させることができる画素欠陥の分類手法」に関わるもので、この知財が出願された事からも歩留まり(コスト)に関する技術的な問題に直面していた事は伺えます。

そもそも再度よくよく見てみるとはUS特許庁に2019年3月に出願されたものが日本でもその後出願されたもの。オリジナルの米国出願番号はUS10666884(2019年3月4日出願)、米国での権利が確定していて特許番号はUS 10,666,884でした。
この時期はCP+2019でシグマがフルサイズフォビオンカメラの一度目の発売延期(下記参照)について発表した時期でもありました。

プレゼンには、Foveonのジェネラルマネージャー Shri Ramaswami氏が登壇。センサー開発の現状を説明した。

これによると、フルサイズセンサーならではの新たな課題に直面するなどしたものの、現在は開発自体はほぼ終了しており、画質の追い込みや製造工程の最適化を行っている最中だとした。

新センサーは米TSI Semiconductorsで製造される。TSI社に製造を移したのはFoveon社と距離が近く密な連携が取れること(ともにカリフォルニアにある)や、優秀な技術力をを見込んでのことだという。

https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/eventreport/1172463.html

https://dc.watch.impress.co.jp/img/dcw/docs/1172/463/004_l.jpg

致命的な欠陥とはこの後に判明したのか、それとも上記知財に関係するのか否かは外部の人間にとって推測する術はありませんが、残念ながらこの時の状況よりも技術的に厳しい状況に直面したものと思います。

ホットピクセルがあっても(一定数であれば)周辺画素から補間できるベイヤセンサに比べて等倍鑑賞を前提とした3層積層の場合は補間(補正)するためのアルゴリズムがもしかしたら難しいのかも?と言う印象を受けていますが、これも含めてこの記事全体が筆者の推測だらけの内容なので話半分に聞いていただけたらと思います。(特許の件は事実ですが。)

 

で、今回、残念ながらシグマから下記の公式のアナウンスがなさられました。

www.sigma-global.com


「センサー開発プロジェクトの状況について」 (株)シグマ CEO 山木和人

山木CEOによると致命的な技術的な欠陥により量産が不可能と判断したとの事。また協業先との契約も解除したとの事です。

この発表に至るまで、数知れない苦労があって苦渋の決断を迫られたものでしょう。こんな事を書くと偉そうに、とお叱りを受けるかもしれませんが、シグマ(と言うか山木社長)のこうした真摯な発表は我々の心を打つものであり、シグマがんばれ!思わずにいられません。

シグマがんばれ!そして仕切り直しをしたフルサイズフォビオンを楽しみにしています。

 

筆者:SUMIZOON

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