実にシグマらしい、尖ったニュースが飛び込んできました。
これでスペック上はガチのシネマカメラと張り合える仕様になったと思います。というか動画スペックとして全く別のカメラに化けたといっても過言ではないと思います。
SIGMA fpのHPに書かれているファームウェア Ver.2.00のアップデート内容は下記になりますが、予告していなかった注目に値する機能アップを赤文字で表記します。
https://www.sigma-photo.co.jp/new/2020/06/25/5048/
- ファームウェア Ver.2.00のアップデート内容
- 外部レコーダーがあればProResRAWもBRAWもイケる!
- ProResかBRAWかそこが問題だ
- 結局どうすりゃいいのか
- 試してみたいぞfp + 外部Rec
ファームウェア Ver.2.00のアップデート内容
・シネマグラフ作成 / 再生機能
・CinemaDNG再生機能
・Cineモードでのライブビューおよび動画撮影中の静止画撮影機能
・SIGMA fpで撮影した動画ファイル(CinemaDNG、MOV)から静止画ファイルを作成する機能
・動画撮影時のHDR撮影機能
・ディレクターズビューファインダーモード中の動画・静止画撮影機能
・DCI 4K 12bitのHDMI RAW出力機能
・ATOMOS社製のモニター / レコーダー「NINJA V」によるHDMI経由のRAW記録に対応※
※「NINJA V」のファームウェアアップデートが必要です。
・Blackmagic Design社製 Blackmagic Video Assist 12GモデルによるHDMI経由のBlackmagic RAWコーデック記録に対応※
※Blackmagic Video Assist 3.3へのファームウェアアップデートが必要です。
・ZHIYUN製ジンバル「WEEBILL S」でのカメラコントロールに対応※
※「WEEBILL S」のファームウェアアップデートが必要です。
※対応する機能については、ZHIYUN社のファームウェアリリース情報をご参照ください。
※今回のファームウェアアップデートはすべての機能に対応するものではありません。SIGMAは今後もZHIYUN社との協力のもと、対応機能の拡張に取り組みます。
・SHOOTメニューでのグレーアウト項目の説明文表示機能
・USBモードにカメラコントロールを追加※
※カメラをコントロールするためのSDK(ソフトウェア開発キット)の提供は7月上旬を予定しております。
詳細は下記から
外部レコーダーがあればProResRAWもBRAWもイケる!
マジですか。。。。ProResRAWもBRAWも両対応してしまうという状態。ATOMOS/Appleが提唱するProResRAWとBlackmagicDesignの提唱するBRAWの両方が撮れる事になります。無論ProResRAWで収録するならATOMOS NinjaV、BRAWで収録するならBlackmagicDesignのVideo Assist 12Gを購入する必要がありますが、一気に両方の対応をするとは思いもしませんでした。
ProResかBRAWかそこが問題だ
おそらく動画にあまり詳しくない方でしたら、RAWが撮れるならどっちでもいいやん。それにNinja VってやつはVIdeoAssistよりも安いしNinja Vが良いやんと思われるかもしれませんが、そこはちゃんと検討すべき項目です。
そもそもお互いの撮れるRAWフォーマットは全く別のものになりますので、ここで選択を誤ると後々面倒な事になります。でもコレ贅沢な悩みです。
ProResRAW
Apple / ATOMOSが提唱する次世代動画RAWフォーマットになります。現状Macの動画編集ソフトFinalCutProX(FCPX)やプラグインを導入した状態のAdobe Premiereでの現像編集が可能です。とは言え、Premiereでは現状現像モジュール的には露出程度しか調整することができないので、後からホワイトバランスを色温度指定で調整するといった事は出来ません。普通のグレーディングで色を追い込むことは可能ですが、スチルのRAW現像ソフトと同じ感覚でのカラーコレクション、カラーグレーディングは現状はできないという認識です。
これはFCPXでも同じ事で、現像という感覚とはちょっと異なる状態です。
というか、現状はProResRAWの現像、グレーディング環境は情報が非常に少ないため結構障壁が高いと個人的には思います。
余談ですが、S1Hが対応するのはNinja Vを使ったProResRAWになります。なのでフロー構築も含めて私は人柱になる予定です。
BRAW
BlackmagicDesignが提唱する動画用RAWフォーマットです。有名な所ではBlackmagic Pocket Cinema Camera4K/6Kなどが採用している軽量なRAWフォーマットです。
とにかくファイルサイズも小さい上に、デコード時のPCの負荷も低くそこまでパワフルなPCが無くても再生、現像が可能なフォーマットです。
ただし、このフォーマットは基本的にはBlackmagic のDaVinci Resolveでカラーグレーディングすることが前提となります。FCPXでは読み込みが出来ないはずですのでご注意ください。尚、Premireでもイケると思いますのでPremiereで使いたいという場合は照山さんの下記記事を参考にしてください。
PremiereProでBlackmagicRAWを使うガイド【決定版】 Part.1 | Vook(ヴック)
尚、BRAWで撮れるとは言っても、BMPCCのBRAWの様に現像モジュールで自由にパラメータをセットできるかは現時点ではわかりません。というのもPanasonic EVA1も同じ組み合わせでBRAW収録ができるものの、BMPCCのBRAWとは異なり自由に現像パラメータが弄れるわけでは無い、という状態なのです。VideoSalonさんの記事を参考にしてください。とは言え、ホワバラと露出、色相は弄れそう。
https://videosalon.jp/report/videoassist12g/
メディアコストも異なる
ATOMOS NinjaVの場合、収録はSSDとなります。一方BlackmagicDesignのVideo Assist12GはSDカードでの収録となります。
ProResRAWの場合はProRes422~ProRes422HQのデータレートになりますので4K24pの場合は700Mbps~470Mbpsと予想できます。
https://emapictures.tv/apple-prores/
https://emapictures.tv/apple-prores/
BRAWの場合は一番圧縮率が高いモードだと4K24pの場合200Mbps、圧縮率が低いモードだと810Mbps程度だと予想できます。(URSA 4.6Kの4.6K30p コンスタントビットレート 3:1モード183MB/s、12:1モード46MB/sから計算)今回のfp + Video Assist12Gで12:1モードが使えるのか否かは確証がないですが、圧縮率から考えるとBRAWの方が気軽に撮れる可能性が高いです。
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/blackmagicraw
結局どうすりゃいいのか
既にDaVinciをゴリゴリ使ってる人はVideo Assist一択でしょう。
FCPXしか使ったことが無い、今後もFCPXしか使うつもりがない。という方はNinja Vでしょう。
Premiereな人はどっちでもいいけど、現状はBRAWの使い勝手の方が良いのではという気がします。
というかここまで書いたところで、RAWで動画を撮りたいというツワモノならこの程度は知ってるよなぁと思ったので、これくらいにしておきます。
試してみたいぞfp + 外部Rec
以前、SIGMAさんからデモ機をお借りしてSIGMA fpを評価したことがありますが、その際のCinemaDNGの運用はとにかくハンドリングが大変でした。そもそもCinemaDNGは連番ファイルなのでとてつもないファイル数をハンドリングすることになります。
余談ですが、苦労して撮った映像はこちら
SIGMA fp DNG12 bit RAW TEST Footage
まぁ、ハンドリングは我慢すればとうにかなるのですが、気になるのはBRAWなりProResRAWなりで撮った映像ではSIGMA fpのダイナミックレンジが広がるのか?という点です。
以前評価したときは12STOPのダイナミックレンジでシャドー側には強いけどハイライトがちょっと弱い。さらに赤の飽和が弱いという印象でしたので、それが今度のファームアップ及び、外部Rec連携でどうなっているのかが気になります。
筆者:SUMIZOON
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